生息情報

 本州部では、瀬戸内沿岸の都市部を除く広範な地域に生息している。南但馬地域および西播磨地域において非常に生息密度が高い状況となっている。その他の多く地域においても近年、分布の拡大や生息密度の増加が認められている。淡路島では、南部の地域(諭鶴羽山系)で非常に高い生息密度となっている。

被害状況

 分布地域では、農作物への食害や造林木への剥皮害など農林業に深刻な被害を与えており、野生鳥獣全体による農林業被害総額(約6億3千万円)の36%(2億3千万円)も占めている(平成26年度の場合)。また、食害による自然林の下層植生の衰退やそれに伴う土壌侵食などの森林生態系への被害も県内広域で深刻化しつつある。自動車や列車との衝突事故も多発している。

対策

 生息密度と農業被害および森林下層植生被害の間に強い関係がみられることから、被害抑制のためには個体数管理によって被害が許容可能なレベルにまで生息密度を低減させることが重要となっている。また、農地への侵入を物理的に防ぐ防護柵の設置や、農地にシカを寄せ付けないための誘引物管理など集落側の対策も重要である。

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