プロジェクト事業
野生動物と人との軋轢は、農林業被害をはじめ人身被害や精神的被害、生活被害、生態系被害など多岐にわたります。山積する多くの課題を解決するには、限られた職員で効率的に対応する必要があります。当研究センターでは、動物種や課題ごとに11のプロジェクトを組み、研究員と専門員が連携しながら、調査研究や普及啓発などに取り組んでおります。
獣害に強い集落づくり | |
中山間地では、近年の社会の変化に伴い、野生動物との関係が、大きく変化しています。 狩猟や被害対策の過去と現在を見直し、新しい時代の人と野生動物との関係を考えます。 | |
森林環境の整備 | |
森林は、野生動物の生息地であるとともに、その公益的な機能は県民の生活を支える重要なものです。 野生動物の生息状況をふまえて、森林の公益的な機能を活かす整備手法を提案します。 | |
ニホンジカの適正管理 | |
県内では、シカによる農林業被害ならびによ自然植生の衰退が生じています。 生息と被害の状況をモニタリングし、その分析結果をもとに適正な個体数管理を行います。 | |
ニホンザルの被害対策 | |
ニホンザルによる農作物被害は被害地域の生活に深刻な影響をもたらしています。 生息状況を把握し、地域の実情にあった総合的な被害管理手法を提案します。新たな防護柵や犬による追い払いなど被害防止技術の開発に努めます。 | |
イノシシの被害対策と狩猟資源の保全 | |
イノシシは、貴重な狩猟資源である一方、深刻な農業被害を引き起こしています。 狩猟資源として適切に活用と保全をしながら、被害の軽減をはかる手法を開発し、普及します。 | |
ツキノワグマの保全と出没時の危機管理 | |
ツキノワグマは人里への出没が問題となっている一方で、地域的な絶滅が心配されています。 被害の防止と保全を両立するための危機管理体制を構築します。 | |
外来生物対策 | |
アライグマやヌートリアなどの特定外来生物対策は、生物多様性の保全や農林業被害対策のために、早期の対応が不可欠です。 現状を正確に把握して具体的な対応策を提案します。 | |
野生動物の有効活用 | |
狩猟や有害捕獲された野生動物は、無駄にせず有効に活用することが望まれます。 そのための情報の収集や発信をおこない、自然の恵みである野生動物の適切な利用を通じた地域振興と自然活用型社会の構築をめざします。 | |
希少な在来野生動物の保全 | |
希少な野生動物の生息状況を把握し、保全対策を検討します。 また、遺伝子の多様性などを評価し、生息状況の健全性などをチェックします。 | |
感染症の危機管理 | |
国内外での野生動物感染症に関する情報の収集・分析をおこない危機管理対策に取り組みます。 | |
人材育成 | |
研修会やシンポジウムを開催するなど、ワイルドライフ・マネジメントの担い手を育成するとともに、野生動物に関する正確な知識を広く普及します。 |