深刻な被害問題と保全の必要性

 兵庫県においては、シカやイノシシ、サルなどによる農林業被害、ツキノワグマによる人身事故の不安など野生動物と人とのあつれきが深刻になっています。
 農林業被害額の合計は、約5億6千万円に上ります(R3年度)。
 また、絶滅が危惧される種の保全や、増加傾向にある特定外来生物への対策も重要な課題になっています。

人家近くで捕獲されたツキノワグマ
シカの食害を受けた大豆(左)と
健全な大豆(右)
(丹波市内)
シカの食害によって衰退した森林
(南あわじ市内)

問題の解決に向けて

 兵庫県では、上の課題を解決するために、以下の理念と目標、方策をもって、野生動物の保全と管理(ワイルドライフ・マネジメント)を進めていきます。

  • 基本理念
    1. 「人」と「野生動物」と「森林などの自然環境」の調和のとれた共存を目指す
  • 基本目標
    1. 野生動物による農林業被害の防除や人身被害の防止
    2. 自然の恵みに裏付けられた中山間地域の振興
    3. 野生動物と共存する地域文化の創出
    4. 自然環境資源の持続的な利用
    5. 生物多様性を保全する共生の森づくりなど自然環境の回復
  • 推進方策
    1. 科学的な根拠の確保のために「森林動物研究センター」の整備
    2. 施策実行手段の確保のために「森林動物専門員等制度」の創設